職人気質

私は、朝起きたら、津軽三味線を和紙袋から出し、糸をかるく張った状態にします。

これは、私の練習法の一つで、ケースに入れて、「箱入り娘」に
したら、練習をしなくなるから。

楽器には、まったくもって良くないのですが、家にいる、いないにかかわらず、いつでも戦闘態勢(?)
に入れるモードにします。
そして、5分でも、10分でも触るようにしています。

しかし!!
朝、糸を張って出かけたら、帰宅後、駒が押しつぶされていました。
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この駒も、職人さんに、溝の幅と深さを指定して、ひとつひとつ手作業で仕上げます。
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そして、お次は撥が欠けてた。
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撥は2本持っていて、一本は、べっ甲2枚合わせの握りがプラスチックのもの。
もう一枚は、握りが紅木(こうき)で一枚のべっ甲でできているもの。
握りには、中に鉛が埋め込まれています。

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この、紅木のものは、今年1月に買った、(私のなかでは)高級品。
この、べっ甲の端っこが、1ミリほど欠けている、、、。

たとえば、ガラスのグラスの飲み口が、1ミリ欠けてると気になるように、
この1ミリが私は気に食わない。
ここから、べっ甲全体が割れることもあるし、糸も切れやすい。



急いで、三味線屋さんに駆け込みます。

私は、渋谷区広尾の菊屋さんにお世話になっています。
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外国人で賑わうインターナショナルな広尾の商店街
の中に、三味線の職人さんがいます。
広尾商店街は、昔は桶屋さんがあったりと、かなり古風な場所だった
そうです。

私は、ここの店に飛び込みで入って、三味線のことを
教えてもらい、ここの職人さんに、三味線を作ってもらいました。
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三味線は、基本的には、フルオーダー。
注文してから、私のレベルに合わせて作ってもらいます。
大体、完成までには一か月かかります。

壊れた駒は、買い直し、糸を通す道筋をつけてもらいます。
これは、自分でも出来るのですが、どうしても溝が浅く広くなってしまうので、
職人さんにお願いすることが多いんです。

撥も、なんとか欠けたところを修復。 ホッと一息。



私は、菊屋さんのほかに、三軒ほどの三味線屋さんに
お世話になっています。

用途によって、注文しています。

菊屋さんもそうですが、皆さんなかなかの職人気質。
たとえば、撥ひとつとっても、先端の角を落しなさい、という
人と、角は自然に丸くなるから、落としちゃだめ、という人と、
もうさまざま。(撥皮が、紙だとべっ甲には優しいけれど、樹脂製の
テープだと、べっ甲の角の削れが早いそう。撥皮とは、ギターでいうところの
ピックガードです。)

糸の種類から、糸巻きの角度に至るまで、職人さんによって解釈が
違います。

たぶん、どれも正解。

正しいとか間違えてる、ではなくて、いかに楽器を大事に、
そして、演奏者が使い勝手がいいか、が問題なんだと
思います。

だから、私自身、早く自分のスタイルを確立し、職人さんに
注文できるようにならなければ、と思います。

今なんて、「なされるがまま」ですから、、、、。

この道何十年!!の職人さんに負けないテクニックと知識を
つけることを目標に、頑張らねば、、、。

菊屋の職人さんに、「ブログに載せたいから写真撮っていい?」
と聞いたところ、「ブログって、何???」と聞かれました。

インターネットなんて、ブログなんてなくても、職人の世界
は、脈々と続いていくんですね。

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